菜園Q&A(いも類)

■野菜別編(いも類)
戻るホームページへ
[さつまいも]
(質問01)つる返しは必要ですか。また、つる返しのやり方について教えて下さい。
(回答)
さつまいもは伸びたつるから根を張り、そこに芋を作ろうとします。そうするとそこに養分を取られて、根元のいもの肥大が悪くなるため、ときどきつる返しをして根を張らないように注意する必要があります。最近は品種改良により、
@株際に芋が出来るようになっている。
A蔓もそんなに伸びないようになっている。
B蔓から芋がなる事も少なくなっている。
ので必ずしもつる返しは必要でなくなりました。しかし、つる返しをする事によって地面が乾燥し、甘いおいしいイモができるという副次的な効果もあるので、出来れば実施すると良いと思います。
実施の要領は以下のとおりです。
1.7〜8月ごろに蔓がいっぱい伸びてきた頃に実施する。
2.伸びた蔓の葉を裏返して刺激する。この際、蔓を傷めないように十分注意し、丁寧に作業して下さい。
3.畝がいつも乾燥するように、月に数回は蔓返しをする。
 
[さといも]
(質問01)サトイモの保存方法について教えて下さい。
(回答)
我が家には長期保存できるような場所がないので、最初は収穫しないでそのまま、一部を畑に置いておきました。最初の数年はそれでもよかったのですが、ある年に春先になって種芋を取り出そうとしたら、全てが乾腐病(赤い筋)や軟腐病にかかって腐っていました。それ以来、霜が降りるまでには収穫し、親芋と小芋は切り離さないままで、蓋のある発泡スチロールの箱にいれて、冷暗所で保存していました(04年度まで)。ダンボール箱にモミガラや新聞紙を丸めたものを詰めてから、保存しても良いと思います。尚、芋は生きており呼吸もするので、密閉容器での保存は適さないので注意して下さい。
ところで、私が小さい頃、実家では雨の当たらない軒先下の地面を掘って室(むろ)を作り、そこに保存していました。本格的な保存を目指すなら、室を作るのが一番と思います。乾燥してもいけないのですが、かといって湿気があり過ぎてもいけないので、室にする場所は、雨の当らない水位の低いところが適しています。
本格的な室は一般家庭では無理としても、庭先や畑の一部に穴を掘って比較的長期間保存することは出来ます。そこで、05年度からはこの方法を試してみることにしました。詳細は以下のとおりです。
  1. 茎葉が枯れ始める頃(11月頃)、遅くとも霜が下りる前には掘り起こす。
  2. 親芋と小芋を切り離さず、土を少し落として十分に乾燥させる。
  3. スコップで土を掘り起こして、深さ1mぐらいの穴を掘る。穴の底には、籾殻や稲藁等を敷き詰める。これらがない場合には、よく乾燥した雑草や野菜の残渣でもよい。
  4. そこに2.でよく乾燥させた芋を下向きにして保存する。
  5. 芋の周囲にもよく乾燥した籾殻や稲藁、野菜の残滓等の詰め物をし、保温を図る。
  6. その上から軽く土をかぶせると共に、ビニールシートやビニール袋で覆い、雨水が芋にかかることを防止する。

尚、短期間保存する場合には、泥付のまま乾燥を防ぐために新聞紙にくるんで、室内の冷暗所(低温で保存すると長持ちしないので)に置いても良いと思います。

 
(質問02)食用にしているさといもは種芋として利用できるのですか。
(回答)
さといもは自分の家で収穫したものを、翌年の種芋として植え付けしても何の問題もありません。さといもはジャガイモと違って毎年自家採取をしたものを種芋として使っても重大な病気が発生するということは少ないので、安心して使うことが出来ます。私も最近は数年続けて、自家収穫したさといもを秋に畑に穴を掘って(簡易的な室(むろ))保存し、春先にそれを掘り出して種芋として利用しています。ですから、毎年前年の芋の子供を種芋として世代継続して植えていることになります。
既に芽が出ているならば、確実に芽吹いてくるので尚更安心して種芋に使えます。なるべく芽が揃ったものを良く選んで利用して下さい。家にある芋を有効に使わない手はないと思います。
しかし、八百屋で買ってきた時は、泥付でなく水で洗ってある場合には植え付けには、あまり適さないので泥付きのものを利用するようにして下さい。
 
(質問03)里芋を切ってみると赤くなっているものがありますが、何が原因ですか。また、食べても大丈夫ですか。
(回答)
里芋が赤くなるのはサトイモ乾腐病と呼ばれる病気の一種で、里芋は寒さに弱いので、気温が低かったり冷蔵庫に入れると低温障害でこういう状態になります。この赤い色はブルーベリーやナスの皮などにも含まれるポリフェノールの一種であるアントシアンで、人に害はないので食べても大丈夫です。ただ、病状が進んでいると固くてゴリゴリし食味が非常に悪くなり、もっとすすんでいると、芋の中心が腐っていたりします。見た目と食感がよくないので敬遠する人もいますが、捨てるのはもったいないので、赤い部分をなるべくカットして利用したらよいと思います。
 
[じゃがいも]
(質問01)じゃがいもの芽出しについて教えて下さい。
(回答)
じゃがいもは、種芋によっては全く芽が出ていないものもあり、そのままでは発芽に時間がかかります。私は、通常は家にいないので、日向においておくと芋を傷めそうな気がして日陰においていますが、きちんと管理が出来るのであれば、日光に当てて芽だしをする(浴光催芽)のが理想です。浴光催芽により、丈夫な芽を育て初期生育の促進を図ることができます。浴光催芽は低温(20度以下)状態で強い日光に良く当てることをいい、3〜4週間程度かけて、植付時の芽の長さが約5〜10ミリメートルを目標にします。これにより出芽が10日以上促進され、株の生育が揃い、欠株をなくする効果及び発芽後の生育を早め丈夫な株を育てるという2つの効果があります。
しかし、プロでもない限りこうした手間のかかる方法をとることには無理があるので、私の場合は簡便法として暖かな日の当たる部屋において発芽を促進する方法をとっています。
 
(質問02)じゃがいもを植えつける際に特に注意する点は何ですか。
(回答)
ジャガイモは比較的栽培の簡単な作物で、病気のない良い種芋を使用し、うまく発芽しさえすれば、そこそこの収穫が期待できます。それだけに、うまく発芽させることが良い収穫の成否を握ることにもなります。ジャガイモの芽に要する時間は、ある程度暖かい時期であれば2週間前後ですが、3月もまだ寒い時期に植えつけると、一月程もかかる場合があります。栽培経験が浅いうちは、芽が出るまでの間は非常に長く感じ、いつ芽が出るかと気をもむことも多いかと思います。うまく発芽させるためには、次の点に注意して下さい。
が多い
  1. ジャガイモ等ナス科の野菜は連作を嫌うので、毎年植えつける場所を変えること(同じ場所に植えつける場合は3〜4年は間を置く)。
  2. 発芽を確実にする為には、植え付け前に芽出し(芽だしの方法は上記の質問01を参照)をすると共に、その芽が上向きになるようにして種芋を植え付けること。
  3. 種芋が大きくて適当な大きさに切り分ける場合には、必ず数個の芽が付いているようにすること。
  4. 種芋を植え付ける際には切り口に灰をつけ、そのまま最低一日ぐらいは放置して切り口をよく乾燥させる。灰を切り口に付けるのは、切り口から病原菌が入って病気になったり、腐ったりするのを避けるのが、その目的です。灰は藁灰でなくてもどんな灰でも構いません。私の場合は野菜の残渣を畑で焼却した灰を使う場合や灰の代わりに消石灰を使用している場合もあります。切り口に灰を塗ることによってキュアリング(切り口の治癒)が遅れて返って病気になりやすいという説もありますが、私は必ず、灰か石灰を使うことにしています。

以上参考にして下さい。

 
(質問03)じゃがいもを切って見た所、中空になっているものがありました。どうしてでしょうか。
(回答)
いもが中空になっているのは、中心空洞と呼ばれる生理現象で、大粒のいもほど発生し易いという特徴があります。従って、男爵いもで生じ易く、メークイーン、きたあかりなど元来が小粒種のいもではほとんど見られません。中心空洞は病気ではないので、それが発生したいもを食べても全く問題がありません。
じゃがいもの急激な肥大により中心部への澱粉の供給が不十分となることが、中心空洞発生の原因で、そのため極大いもはこの可能性が高く、注意が必要です。その発生には天候が大きく左右し、日射量や雨が多いと発生し易くなります。また、肥料のやりすぎや株間が広すぎる場合もその発生の確率が高くなります。その他には、株に生っているいもの数が少ない場合も、いも一つあたりの養分が過多になり易いので発生の可能性が高まります。
中心空洞を予防する為には、芋が大きく育ちすぎないようにすることが一番です。以下の点に注意してください。
  1. 土寄せを充分に行い、地中温度があまり上がり過ぎないようにする。
  2. 多肥特に特に窒素肥料やりすぎに避けること。
  3. 株当たりの茎の数を1〜2本でなく3本以上にすること。
  4. 株間をあまり広く取らないこと(通常より多少狭めにする)。
  5. 雨が多い場合には、畝の周囲に溝を掘るなどして水はけを良くすること。
  6. マルチを施す場合は、地温が上がり過ぎないように透明なマルチは避けること。
  7. 春先に芋を植え付ける場合は適期を守る(遅植えすると芋のできる時期に地温が暖かくなりすぎて、発生の確率が高まる)。
戻るホームページへ

このページの先頭へ

 
 
 
 
inserted by FC2 system